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支持体について

粘着製品は粘着剤と支持体が組み合わされて、はじめてその機能が発揮できる。
粘着製品に使用されている支持体の種類別生産数量比は、紙が約４９％、フィルムが３５％、布が１２％、その他が４％となっている。

１・紙
紙を支持体とする主なものは、クラフト紙、和紙、クレープ紙、上質紙、コート紙などであり、中でも大半がクラフト紙です。

---クラフト紙---
クラフトパルプを原料として抄紙したもので、一般クラフト紙、半晒クラフト紙、クルパック紙がある。

---クレープ紙---
含浸紙の一種であり、抄紙段階でラテックスや樹脂を含浸させ眉間強度を向上させたもので、クレープ加工がされている。
マスキング用や電気絶縁用粘着テープに使用される。

---上質紙---
晒クラフトパルプを原料として抄造されたもので、一般には無着色（白）が使用される。
着色された紙は剥離紙用として多く使用されている。

---コート紙---
紙の表面に、スチレン・ブタジエン系、酢酸ビニル系、メチルメタクリレート・ブタジエン系などのラテックスと、酸化チタン、カオリンクレー、炭酸カルシウムなどの白色顔料を混ぜたものをコーティングした紙で、アート紙、キャストコート紙などがある。

２・ フィルム
各種プラスチックフィルムが使用され、紙についで使用量が多い。
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、セロハン、ポリエチレン、ポリエステル、アセートなどが一般的に使用されている。

---ポリプロピレン（PP）---
PP樹脂を押出し、インフレーション法やTダイ法で製膜される。
延伸方法により１軸延伸、２軸延伸、無延伸などがある。
強靭性、耐水性、耐薬品性、絶縁性に優れるが、耐候性はあまりよくない。
粘着テープ用には一般的には２軸延伸フィルムが用いられ梱包用、包装用粘着テープ、結束用粘着テープ、電気用粘着テープなどに使われている。

---セロハン---
木材パルプを原料とする。
透明性、光沢性に優れ、印刷適性も良好です。
セロハンテープ、両面テープの支持体として使用される。

---硬質塩化ビニルフィルム（硬質PVC）---
Tダイ法（２軸延伸）、キャスティング法などで製膜される。
電気絶縁性、難熱性、透明性、耐候性に優れる。
包装用粘着テープ、印刷用ラベル原紙の支持体として用いられる。

---軟質塩化ビニルフィルム（軟質PVC）---
Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法で製膜される。
柔軟性、耐水性、耐候性、難燃性に優れる。
電気絶縁用粘着テープ、包装用粘着テープ、保護用粘着テープ、医療用粘着テープ、表示用粘着テープ、マスキング用粘着テープ、防食用粘着テープなどの支持体として使用されている。

---ポリエチレン（PE）---
Tダイ法、インフレーション法で製膜される。
耐寒性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性に優れる。
医療用粘着テープ、保護用粘着テープ、防食用粘着テープ、などの支持体に使用されている。

---ポリエステルフィルム（PET）---
Tダイ法で製膜される。
強靭性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、絶縁性に優れる。
アルカリには弱い。
電気絶縁用粘着テープ、包装用粘着テープ、装飾用粘着テープ、両面テープなどの支持体として使用されている。

---ポリウレタンフィルム---
離形性キャリアフィルムを用いたキャスティング方式、カレンダー法、押出法で製膜される。
ゴム状で柔軟性に富む。
耐摩耗性、耐油性、耐水性、耐海水性に優れる。
医療用粘着テープ、保護用粘着シート、すべり止め粘着シート、などに使用されている。

---ポリイミドフィルム---
流延法で製膜し、加熱処理によって溶媒の除去と同時に縮合させてポリイミドフィルムを製造する。
耐熱性に優れ、低温から高温までの特性変化が少ない。
難燃性であり、電気特性にも優れ、耐薬品性、耐放射線性も良好である。
電気絶縁用粘着テープ、ハンダディップ用マスキング粘着テープなどの支持体に使用される。

---ポリカーボネートフィルム---
キャスティグ法、Tダイ法で製膜される。
強靭性、耐衝撃性、電気特性に優れる。
透明で耐候性、低温特性、寸法安定性がよく吸水性も小さい。

---その他のフィルム---
粘着テープおよび粘着シート用支持体として用いられているフィルム・シート類は他にも多数ある。

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